この記事を読んでほしい人
オーストラリアでワーキングホリデーをしている元看護師さん
ワーホリ中でもお金はがっつり(割と高収入で)稼ぎたい人
日本で看護師をしていて、ワーキングホリデーにオーストラリアへ来た人
割と高収入で稼ぎたい、日本での経験を活かしたい、ついでにオーストラリアの医療も見ていきたい
好きになったらオーストラリアでの看護師になることも視野に入れるかも、っていう人

はじめに:AINの仕事内容は日本でいう介護士と看護助手

「オーストラリアでアシスタントナースして稼ごう!」という留学エージェントが書く記事をちらりと見た方。看護師が多いと思います。私もその一人でした。本当かどうか疑っているそこのあなたへ。実際にアシスタントナース (=AIN) をシドニー、ブリスベン、そしてサンシャインコーストで3年間した経験をもとに書きたいと思います。答えを先に言っておきます。日本よりは割がいいと思う、という意味で多分だいたいあっています、本当です。忙しい人、答えしか知りたくない人のために言いたいことは目次に書いてあるのでご参照ください。
さて、アシスタントナースは病院ではAINと呼ばれ、”Assistant in Nursing (アシスタント イン ナーシング)”の略です。老人施設では”Carer(ケアラー)”や”PCW=Personal Care Worker (パーソナルケアワーカー)” などと呼ばれます。仕事探し中の方は、このへんのキーワードを入れて検索してみてください。

仕事内容は、老人施設では介護士と同じ業務内容です。シャワー浴、排せつ介助、食事介助 etc…多分医療者なら見慣れたものが多いと思います。病院では、看護助手のお仕事。血糖値をはかったり、病院によってはバイタルサイン測定、記入までやります。ブリスベンのあるQLD州ではバイタルサインを助手にさせてはいけないので、AINはしません。物品補充やシャワー浴介助、ベッドシーツの交換や不穏な患者さんの1 on 1の見守りが主な仕事です。
ただ、日本と決定的にちがうのは「絶対に利用者を持ち上げない、ボディメカニクスうんたらは不要」という点です。”No Lifting Policy (ノーリフティングポリシー)”といって、車いす移乗は本人が自力で立ち上がれないのなら、マシンを使います。私は日本で看護師をしていたのですが、自分の両肩に患者さんの腕を回して移乗介助をしていましたが、アレがいかに無謀で危ないかということにオーストラリアに来て気付きました。こちらオーストラリアは絶対にしないです。
あと、日本と違うのは・・・モーニングティー休憩、アフタヌーンティー休憩が食事休憩のほかにあること。大抵クッキーと紅茶orコーヒー(場所によってはパン、バター、ジャムも)が常備されているので太ります。笑
ワーホリでアシスタントナースになることを実現させてくれた留学エージェントとの「契約」までの体験談はこちら。
そんなアシスタントナース。基本時給はいくらなのか?
パーマネントなら24-25ドル。条件によって給料増(~1.75倍)あり

上記の通りです。筆者はパーマネント(のちに説明)として一つの施設で決まった曜日と時間をいただいていたので、その基本時給が$24.24。そこに午後シフトがはいると時給$3追加。土曜日は1.5倍 ($36.36)、日曜日は1.75倍 ($42.42)なので主に土日にシフトを固定して入れていました。高いからね!
実際の施設(パーマネント)で働いていた私のペイスリップがこちら。

上から
「通常」「トレーニング」「夕方」「土曜日(50%プラス)」「日曜日(75%プラス)」・・・「洗濯代」「ユニフォーム代」はなんか勝手に加算されて支払われていました。
「通常」が、日本でいう基本時給です。24.24ドル。そこに、アフタヌーンシフト(この職場は15時以降)だと時給3ドル追加、土曜日だと1.5倍 etc…となります。教育セッションがあって、その分も給料が支払われます。
カジュアルだともっと高い。場所によって差額あり

で、こちらが「カジュアル」といわれる働き方で働いた場合。エージェンシーというものがあって、いろんな施設や病院で働きます。こちらも午前シフトが基本時給で、午後に何ドルか追加されます。あとは土曜日は1.5倍、日曜日は2倍、そして祝日は2.5倍になります。
上から、
平日の午後シフト@老人ホーム $32.07
祝日の老人ホーム $66 (祝日なので時給2.5倍)
平日の午前シフト@公立病院 $32.24
平日の午前シフト@私立病院 $39.92




参考になればといろいろ引っ張ってきましたが、ちょっと多すぎてむしろ混乱させちゃったかもしれない。見ての通り、一日数万円です。あ、税金がかかって引かれるので、手取りは減ります。
AINの場合、私立病院が高い印象でした。あとは仕事量的には施設より病院の方が楽です。
カジュアルとパーマネントって何?利点と欠点

オーストラリアには、ざっくり分けてカジュアルとパーマネントの2種類のタイトルがあります。
それぞれの利点/欠点は以下の通り。
カジュアルの利点
基本時給が常に25%増し。つまり常に高い。
土日はそこからさらに割り増し料金。
仕事したくなかったら断ればおk。
時間の縛りがないので、働きたいときに好きな場所で働ける。
自由。
私は週末だけダブルシフト(午前シフトと午後シフト両方働く)で1週間分の給料をかせいで、平日はのんびり勉強等して過ごしていました。
カジュアルの欠点

働く時間の保証はなし。逆にパーマネントの場合「最低週〇時間」という保証がある。
福利厚生はゼロ。年休はないし、傷病休暇もない。
決まった場所で働ける保証もなし。いたるところに飛ばされる。特定の施設でカジュアルするなら、施設内の固定のユニットで働くことはない。よって慣れるのが大変。(でもどうしてもいやなユニットや病棟があれば、そこのシフトは断ればよろし。)
数時間前にキャンセルもされる。(キャンセルが4時間前以内だと、最低4時間分の給料が発生・・・等所定の条件がある)。
「今からこれる?」というオンコールが基本。前日夜、とか早朝に電話とか。「〇時以降電話しないで」等設定は可能。
コロナ真っ只中の時は、人の出入りを制限していたのでエージェンシーとしての仕事は少な目だった。シフトが取りにくかった。(今はそんなことはないと思う) 施設専属のカジュアルになれば話は別。
パーマネントの利点

福利厚生あり。体調不良で休んでも給料でる (傷病休暇)。
時間数に応じて有休あり。雇用契約で、「2週間に〇時間働くことを保証します」と契約をするので、最低時間数の保証がされる。
コロナ真っ只中でもシフトの保証は絶対。
特に施設だと決まったユニット、決まった曜日の決まったシフトで働けるので、土日のシフトを選んで固定してしまえば給料は常に1.5倍 – 1.75倍。
安定。カジュアルよりは安いが、でも定まってる。
同じ場所で働けるのでカジュアルのように不慣れで気疲れが起きにくい。
パーマネントの欠点
カジュアルより安い。
最低時間数の保証があると同時に、その時間働くことを労働者側として約束しているので、カジュアルのように簡単に断れない。病欠は可能だけど、基本的には働く。
つまりスケジュール的に縛られる。
カジュアルでも基本的に十分仕事はあるので、ガンガン稼ぎたいなら別にカジュアルで週40時間シフトを入れてしまった方がお金は手に入る。
まとめ

私がもらっていた給料をもとに、お金のリアルな話を包み隠さず書きました。日本からこの記事を見ている人へ。
結論。日本よりは給料高いです。
これからアシスタントナースとして働こうとしている、オーストラリア在住の方へ。ベストな働き方としては、パーマネントで週1-2回シフトを持っておいて、それ以外をカジュアルで稼ぐのがよかった気がします。安定かつ高給。
働きたくない気分の時期ってあるじゃない?そんなときはパーマネントのシフトだけ働いてあとは休んじゃえばいいし、ゴリゴリ稼げそうな気分の時は好きなだけ仕事取ってくればいい。オーストラリア生活は楽じゃないですから、肩の力を抜いていきましょ。
ちなみに私はエージェンシーを3つほど、パーマネントとしての施設は1つだけ経験したのですが、エージェンシーによって給料がちがったりします。その話は需要があればまた今度。実際の会社名を公表することになるので、その場合は日本在住者向けというよりはオーストラリア在住のAINを目指している向けになりそうです。
最後に。 将来こっちで看護師になることがちょっとでも視野にある、すでにAINをにしている人へ。看護師複数人と仲良くなっておきましょう。看護学生になって、仕事を取ってくるときに看護師のリファレンス(推薦者)というものが絶対に必要になります。仕事を辞める時は「リファレンスお願いしていい?」と聞くことをおすすめします。
読んでくださってありがとうございました。質問やコメントは大歓迎です。どうぞ下の欄にご投稿ください。
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