こんなツイート(ポスト)をした。
今日は、ここオーストラリアで出会った「底意地の悪い人」の話をしようと思う。これは現師長の私に対するパワハラ(徐々にエスカレートする)と、私がしっぺ返し(バックファイアともいう)をする物語である。

登場人物
①師長 新任。師長経験なし。2022年の4月あたりに他病院からくる。
②前師長。 人望がとにかく厚い。この人が辞める寸前に「スポンサーを出すから残って」と頼まれ、筆者は現病院に雇われる。
③筆者(私)。人畜無害な見た目+言動のため、「いびり」「目をつけられる」等ターゲットにされやすい。温厚ではあるが性格が弱いわけではない。
④コーディネーター。日本でいう看護部長のひとつ下の役職。状況をみて人員配置をする。
⑤ユニオン(組合)。 日本よりオーストラリアの組合の方が圧倒的に強い。
部署背景
入職当時、当部署の平均年齢はおそらく40代であったと思う。勤続年数20-30年以上のシニアメンバーが半数を超えており、とにかくどっしり構えている大御所感が好きだった。新人看護師ではないものの、部署の仕事を丁寧に教わり、大事に育ててもらった。
私の雇用形態は「パーマネント」と言われており、2週間に定められた時間働くことを約束されている。参考程度に、その「あなたとは〇時間の勤務を約束します」という取り決めがない雇用形態を「カジュアル」という。病院が必要な時に呼び出される人たちで「何時間働ける」という契約がない代わりに、時給が25%高い。
事件その①
現師長が就任して3カ月ほど経っただろうか。超過勤務を依頼され、2時間半ほど働いて帰宅。翌日、勤務中に師長に「今日はもう帰っていいよ」と言われ、よく分からなかったが2時間半早く帰宅させられる。
翌週、コーディネーターと話していたら「あれっ、この日2時間半早く帰ってるね。前日同じ時間数の超過勤務しているね。2時間半の超過勤務がなかったことにされて、早く帰った日に穴埋めのようにされてるけど同意したの?」と聞かれた。
よく意味が分からないのでもう一度説明をお願いすると、超過勤務として働いた分を「通常勤務」として早く帰れと言われた日の時間数に勝手にくっつけられていたのである。
当院の規約上、最初の1.5時間は時給が1.5倍、それ以降は2倍になる。それが一切発生しないことになる。「師長に聞いてごらん」と言われ、その足で師長に聞きに行った。
‘Just wanting to clarify….’と腰を低めに話をしたところ、「あれはVoluntary overtimeだから給料を払う必要はない。嫌だったら断ったらよかったのに。だからあれはボランティアよ(?)」と師長は憤慨、師長室を文字通り追い出された。「なんてこった、怒らせてしまった」と内心おろおろしていたものの、よくよく考えると私は全く悪いことをしていない。
ユニオン(組合)に電話。答えは「師長の規約違反」と判明。ユニオンからは「人事と師長、看護部長にCCでメールを送れ」と助言をもらう。

私がドラフトを書いて、ユニオンに添削してもらった内容がこれ。
ただ、これをしてしまうと、師長の悪事が院内全体及びヘッドオフィスにまで知れ渡る。つまり大ごとにする、ということを意味する。
よって計画はこうなった。
①ユニオンの元病院代表が運よく自部署内にいたので、彼女と一緒に師長へもう一度話す。②それでも動かない場合、ユニオンと一緒に作ったメールを師長、人事と看護部長に送る。
「まだ新任だし、間違えることだってあるから・・・」と、もう一度師長に話しをしに行ってみた。元ユニオン代表を見るやいなや、態度が激変し私の超過勤務分はすんなり払われた。
事件②

それから数ヵ月。ここ最近「なーんか目をつけられている気がする」ということが度々起こる。
①入院業務をしている部屋に、普段は自室にこもっている師長が直々に確認をしにくる。
②朝6時半に出勤したら「今日は忙しいから・・・急いで仕事!」と目の前で拍手(バシバシと手を叩く)をされる。無礼にもほどがある。朝6時半だぞ正気か?と思いつつも何も言わずに仕事開始。見ていたスタッフが数人「りりぃ大丈夫?師長のアレ、何?」と聞きに来てくれた。私が知りたい。
③残業を依頼されて働くと「なぜりりぃを残したのか」と師長がリーダーに詰め寄る。
④師長がリーダーに「りりぃの入院業務に何分かかってるか見ておいて」と依頼をする。心配したリーダーが「大丈夫?」と聞きに来る。
ここで我慢の限界がきた。あんまりだ。部署の皆が私をかばおうとしてくれているが、お陰様で不穏な空気がずっと立ち込めている。気分が悪い。すっと立ち上がり、廊下を歩いていた師長に話しかける。
懲戒面談決定
私 ‘Excuse me, but I heard you asked the TL to keep an eye on my work in particular. Did I do anything wrong? If so, please come and talk to me instead of telling someone to silently watch me. I feel like I am being picked on and don’t feel comfortable working with you.’
師長 ‘STOP! INAPPROPRIATE! You’ve being rude to me lately, and it’s so unprofessional. I think you need a disciplinary action. I will arrange a formal meeting today, but until then, DO NOT TALK TO ME’ と怒鳴られた。

私はチームプレイヤーであり、コミュニケーションを怠らず、嘘もつかなければ誰に対しても笑顔で接するスタッフである。お礼状を何通かもらったことはあれど、無礼を働いたことは一度もない。どのスタッフから見ても、嫌われる要素がないと断言できる。それほどまでに毎日笑顔で皆と働いていた。
ここにあるDisciplinary actionとは、日本でいう「懲戒」が最も近い。つまり今から私に下される処分を決定する手前のミーティングが組まれた。
信頼している先輩看護師たちに話す。一人は「頭を低く下げて、言うこと全部に謝るんだよ。そうしたらここにいられるし許してもらえるから・・・」と言う。もう一人はただただ心配していた。「今までりりぃがRudeなことは一度だってないよ、何かの間違えだよ」と皆口をそろえていう。「今までありがとう、もし帰ってこなかったらそういうことだった、と悟って。育ててくれてありがとうね」と感謝して回った。私をヘッドハンティングしてくれた前師長(現オペ室関連の管理職)に報告する。前師長は「ミーティングに連れていけるサポートパーソンを内内に用意するから今日は何としてでもミーティングを避けろ、あとは任せろ」と言う。
絶体絶命の中考えたこと
正式なミーティングのメールが来た。30分後に開始。ここで私が考えたミーティング中の対応は以下。
①先輩Aが言うように平謝り。
利点:クビは免れる、かも。
欠点:この師長に完全敗北を認めるので私がプロ意識をもって働いてきた仕事、培ってきたスタッフとの関係を自分で全否定することになる=自分で自分を裏切ることになる。さらに、一度ひれ伏してしまうとその後は師長の機嫌を伺い続ける必要がある。
②ミーティングで言論戦を挑む。
利点:自分を全肯定できる。私は何一つ悪いことをしていない、という証明をすればよい。現師長はおそらく何度か同じ手口を使って誰かをいいなりにしてきた感じがする。私がひれ伏せば味をしめて繰り返す可能性があるが、勝った場合は次なる被害者が出にくくなる。つまり間接的に後輩を守れる。そして唯一無実を証明し、かつ生き残れる「勝ち筋」である。
欠点:相手は英語が母国語、かたや私は英語を話し始めてほんの数年。言語的に圧倒的に不利。空気で飲み込まれる可能性もある。そして負けた場合はおそらくこの職場にはいられない。永住権も取れていないので、クビになった場合は次の仕事探しを必死にしないといけない。
残り20分。
勝利条件
この圧倒的に不利な中で私が「勝つ」場合とはどのような状況を指すのか。
- 私がやってもないことを認めさせられて謝った場合=負け
- 五分五分の場合=師長と私が「喧嘩」した、という結論に至ると立場の違い上(ボスvs平スタッフ)見ばえの違いがあり分が悪い。報告書は師長が上げる。今回でなくとも、次回懲戒にすることもできるだろう。その布石になりうる。=私の負けである。
- つまり、私が10:0で師長を言い負かし完全勝利する以外、生き残る道はあり得ない。
頭を抱えた。でも、師長が陰湿な嫌がらせを徐々にエスカレートしていたので、いずれこうなることは分かっていた。「歯向かった」私が悪いのか。
戦うことを選んだ場合、師長が私のクビに手をかけている以上、私は降参してダメージ軽減か院内のポジションを全ベット(賭ける)する以外に選択肢がない。
残り10分。

震えていた。本当に、本当に何もしてないのである。主語がデカいのは嫌いだが、ここだけ言わせてほしい。日本人の勤務態度と礼儀正しさは世界有数の真面目さを誇る。私もその日本育ちだ。絶対に絶対に濡れ衣である。私が師長に「目をつけられた」それだけ。目をつけられた私が悪いのか。笑顔でにこにこしていたから、「また」いじめの対象になったのか。日本でいじめられたことがよみがえる。容姿をバカにされ、要領の悪さをバカにされ、オーストラリアに出ると言ったら「無理だ」と笑われて悔し泣きをしたあの時。無力すぎて立ち上がれなかった自分を憐れんで泣いた日々を思い出す。
また、私は負けるのか。
5分前。
権力は、それだけで大半の人がひれ伏す。肩書はどの世界でもデカい。私だって恐くてたまらない。私の立場は師長の意地悪な「目」に晒されただけで飛ぶほど軽くて・・・いいのか?
待てよ、考えろ。嘆いている場合じゃない。師長がいうことはデタラメだ。それを立場と権力だけでごり押ししようとしている。私の無実は「悪魔の証明(証明がほぼ不可能)」ではない。目撃者がいる。なのに高見の見物ってか・・・。
だんだん腹が立ってきた。
「私のクビに手をかけておきながら自分は何も賭けなくていいと思っちゃいないか。忘れるなよ、私にだって手は2本ついている。私のキャリアを潰す気なら、お前がとことんこだわっているそのメンツと「師長」という立場を賭けてもらおうじゃないか。まずは自覚させてやる。師長よ、お前が座ってるその椅子は安全地帯じゃない。」
「お互いクビを締めあわないと・・・私だけなんて不平等だよなぁ?」
3分前。
「意地悪な奴はどこの国に行ってもいる。でも、肩書に頭下げて従ってるようじゃ私はオーストラリアで生き残っていけない。この国で私は家族も永住権も立場も、何もない。」
「何もない中ここまできた。胸を張ろう。顔を上げよう。今までよくやってきた。そしてこれからも絶対に私は成功する。私は前ボスに頼まれて入った人材。ここでなくとも私を欲しがる職場なら五万とある。失うものなんて、考えたら何もない。ならば、その誇りを前面に押し出して堂々とこの職を去ってやる」
もう一度、今までの経験を思い出す。
「相手を傷つけないようにするだけじゃあ、優しいとはいわないんだよなあ。優しいだけじゃなくて強くもないと、自分の人生すらまっすぐに生きていけないよなあ。」
これを言ってしまうと、師長を攻撃することになる。嫌な気持ちにさせてしまうかもしれない。彼女が傷つかない方法を内心必死に考えていたけれど、彼女の立場を庇ってしまえばその甘さで私のクビが飛ぶ。悲しい。潰すか潰されるかの二択しかないことがとても苦しい。
1分前。
「この会話は頭脳戦と心理戦。私のクビを賭けて師長の顔ごとぶっ潰せ」
覚悟が決まった。
師長が私のところに来た。腕を強引に引っ張られ(失礼である)、師長室に引きずりこまれた。
前師長の「何がなんでも避けろ」作戦はあっけなく散る。
絶体絶命のクビ面談開始
入ってみると、なんと師長以外にもう一人いる。聞いていない。公式なミーティングには双方サポートパーソンを一人ずつ連れてくることが可能である。私にはその準備期間を与えず、強引にミーティングに持ち込み1対2で話し合いは開始した。規約違反である。
状況は圧倒的な不利から、絶望的な不利になった。
師長側としては「ミーティングをした」という既成事実さえ作ればいいわけだ。このままでは、あることないことをでっちあげて報告書にされれば終わりである。
ここであることを思いついた。鼻をかむためにティッシュを求めて一瞬だけ退室する。スマホの録音をONにした。ポケットにしまう。嘘の報告書を書こうもんならFair work ombudsuman に名指しで報告してやれ。覚悟を決め直した。
まず初めに、そこにいる謎の第三者に自己紹介をした。そして名前を聞いた。内心「あんたしれっと規約違反のミーティングに関わっちまってるけど大丈夫か?」と思いつつ。聞くと、現師長と同時期に雇用された事務局長だった。なるほど師長の息がかかった仲良しさんってわけね。
ミーティングが始まった。師長はいかに私が失礼かを話し始めた。事実無根である。話は10分ほど続く。「今日も私にいきなり話しかけてきて公の場でなんたら」と、今日の出来事が話題にでた。事務局長は静かに聞いている。私も黙って聞いている。何か申し開きはあるかと聞かれる。
私「自分の行動が礼儀に欠くようなことは、一度もない。だが、失礼かどうかは本人の主観でもあるため、話しかけた態度で師長が気分を害したのなら、あなたの感情に対してのみ謝罪をする。」努めて冷静に、感情を抜きにして話す。この場で感情を乱したら終わりだ。
場の空気は師長側が支配している。会話進行は事務局長。
反撃開始

私「『礼に欠ける』という話なら、師長、あなたは私の顔の前で手を叩いて急かしたましたね。出勤直後の朝の6時半に。挨拶もなしに。I thought it was quite rude and inappropriate」
そこで身を乗り出して師長が私を遮る。「そう、その顔!あなたの表情がとってもRudeだったのよあり得ない」と息巻いて話す。鬼の首を取ったような顔、という表現が妥当だろう。得意げな顔だった。
正直に書かせてもらう。「バカだな」と思った。ここで噛みついたらあんた負けるだろ。
「師長・・・。あなたがそのように私をジャッジしていると知ってがっかりしています。私の感情は私が感じるものであり、好きも嫌いもあなたの知ったことではありません。ですがその時々で感じる気持ちはコントロールできずとも、その後の言動、つまり発言と行動は私の責任でございます。」
「私はその時何をしましたか。あなたのイジメともとれるような仕打ちを受け、何か言い返しましたか。違いますよね、いいえこの期に及んで覚えてないなんておっしゃらないでください。私は黙ってきびすを返し、静かに仕事に取り掛かりましたよね。それが、スタッフとしてあなたに対するリスペクトです。あなたが例え、師長である前に人としてどうかと思えるような態度を患者も他のスタッフもいる公の場でとろうとも、私は自分の言動に責任を持っています。」
「あぁ、まだ私が暴言を吐いたかもしれないが忘れたと言っているのですか。ならばその場にいたGenとLucy(仮名)が今日働いていますので呼んだらどうですか。」
師長は青いような赤いような顔をしていた。必死に遮ろうとしていたが、上記の通り遮り返した。会話の主導権は握り返されたら負ける。私は、彼女の目をまっすぐ見すえて続ける。「時に師長、つい最近まで当院はマスク着用が義務付けられていましたよね。よってあなたのおっしゃる私の『無礼な表情』はマスクから上の目のみになりますが、一体何が失礼と言っているのですか?」
私はまっすぐ師長の目を見る。絶対にそらしてやるものか。師長の目が泳いでいる。
ここで事務局長がしずかにうなずき始めた。
「私の目が気に食わなかったから、rudeだと思ったのですか。お言葉ですが、早朝に顔面の前で手を叩かれるなんて屈辱的な行動を、ありがたく笑顔で受け取る人はいないと思います。あなたが平気でそんなことをそしてきて、正直びっくりしました。」
「他のスタッフに私を監視するよう言づけていましたね。彼女たちが私を心配していました。今直接聞きます。私の何がそんなに気に入らないのですか。」
師長は語気強く言い返す。「師長として、あなたの勤務態度を他スタッフに聞くのは至極真っ当なこと!」私「でしょうね。師長ですから。だから何が気になって他スタッフに私の監視を依頼したのですか。」
師長は私が必要以上に時間をかけているかもしれないこと、それが部署の効率を下げているかもしれないことを話した。自分でいうのもなんだが、私は仕事が速い方である。が、論点はそこではない。
それ以前に下っ端スタッフ一人のせいで部署の効率が目に見えるほど下がるなら、本人ではなくシステムそのものが問題でないの?と反論。
ちなみにオペ寸前の入院業務も自部署が行っているが、以下のような人が結構な頻度で現れ、その場合は安全上の理由で時間がかかる。我々を通過したら、その直後に全身麻酔がかかってオペ開始だからだ。
・90代
・オペ中に心停止の歴あり;術中に使われた薬剤のアナフィラキシーによるもの
本人「薬のアレルギーがあったの。大変だったらしいよ!薬?なんて名前だったかなー忘れた、かかりつけ医に聞かねぇとわかんねえべ。病歴?90年も生きてりゃ色々あるわ、忘れたそんなものガハハ」
膝の全置換術をするおばあちゃん。オペ室からは既に呼ばれているが、これではとても送り出せない。GP(かかりつけ医)に電話をし、病歴をすべて送ってもらうところから始まる。
「私はここのRNとして、例えオペ室のスケジュールを狂わせようとも患者の安全が担保できないなら自分の名のもとに(各項目にサインをする)患者は行かせられない。私たちの目的は患者を最小限のリスクで、可能な限り安全な状態にして送り出すこと。入ってくる患者は選べない、よって入院Work upの時間も様々。その場合はオペ室にもTLにも連絡を入れ了承の上で仕事を進める。それが私たち現場にできること。事実だから言うが、あの時あなたはヘルプを申し出るわけでもなく、まだかと急かしにくるだけだった。のちに来たTLがヘルプとオペ室の連絡を買って出てくれた」
空気が変わった

事務局長がさっきからずっと頷いている。
「裏でこそこそと、私を監視しろとシニアのスタッフメンバーに言っているのを知って『目をつけられている』と感じるのは当然でしょう。不快なんです。だから今朝私があなたに言った言葉に嘘偽りはありません、私がRudeだというあなたの言葉も認めない」今度は、そこでじっと座っている事務局長に目を合わせてハッキリ言う。事務局長が ’Yes, I think so too’と静かに言った。
師長は、あっけにとられた顔をしていた。落ち着きを取り直して、口を開いた。’To defend myself….’
勝った。そもそも理不尽に吹っ掛けてきた時点で師長の立つ土俵はガタガタだった。けれど、それを圧と口上でかわされてしまうのが最も恐れていたことだった。本来は師長が一方的に私に非を認めさせる場だったのに、それが自分を守るために発言し始めたら終わりだ。勝負はついた。
これ以上責めるのはOver Killだな、と思って後は聞くに徹した。「師長だからこそ、私が目をつけられていると思うような行動は慎んでほしい」これを言って終わった。
ミーティングはなかったことになった
その後は、周囲が逆に心配するほど異様なまでに私を「師長のお気に入り」にしたがるような行動が数カ月間見られ、落ち着いた。いや、実は落ち着いていない。今度は個人間ではなく部署内で政治をし始めたのだ。でもそれはまたいつか。
私を表立って攻撃してくることはなくなった。
当然と言えば当然である。第三者を(自分だけ)連れてきておきながら、その人が寝返ってしまったのだから面目丸つぶれだ。
ちなみに一年経った今もこの録音と、録音を文章化したもは複数のクラウドに保存してある。万が一これに飽き足らず、誰かを同じ手口で仕留めようとした場合はすべてを上層部に出す気でいる。師長は話し合いの場で私に個人的に負けただけでなく、事務局長にもその場を見られ評価は下がっただろう。さらに将来の進退に影響を及ぼすかもしれないミーティング内容と、給料システムいじり案件の公的文書を私に握らせる結末となった。
考察
日本人は陰湿だという人がいる。ちがう。陰湿で底意地の悪い人は日本にも、オーストラリアにもどこでもいる。彼らは立場や肩書きの違いを利用して「指導」だ何だと「大義名分」の皮を着て潰しにくる。
そして共通している特徴は「実は自信がない」「何か不満を抱えている」ため、常に感情が不安定で「自分より弱そうな・下級の」攻撃対象を探している。さらに攻撃開始時、「こいつなら自分は攻撃されないだろう」と内心ふんぞり返っている。
職場というパワーバランスや利害が絡む場所での立ち振る舞いは、「やられたら即やり返す」わけにはいかないので更にややこしい。だけれど、覚えておいてほしいのが「周囲はちゃんと見ている」。あなたの言動も、相手の嫌がらせも。それを「どうにかしてあげたいけど、助けたら私が・・・」と自分の利害を考えつつ静観しているのだ。あるいは「いじめられている本人」がどう出るかを観察している。
だからこそ、普段からの人との関わりがとても大事になる。国は違えど、人は人。私は誠心誠意、仕事仲間を大切にしておくと、いざ一人で解決不能な事態に陥ったときに助けてくれる。
「人となり」というのは、その日常の言葉の端々、ちょっとした行動に宿ると信じている。人は私やあなたが思う以上に私・あなたをよく見ている。自分の私利私欲のためだけに動く人はバレる。薄っぺらい人間性も、その浅さは遅かれ早かれ露呈する。
まとめ

今回の一連の騒動で他スタッフと話して「どうしてあなたがそんな目に」「りりぃがRudeでUnprofessionalだって?ありえない」と言われたことで自分のために立ち上がることを決意した。伝わりにくいかもしれないが、彼女たちの優しさに背中を押され、彼女たちのおかげで「私がやってきたことは間違ってなかった」と再確認した。今は全く関係のない元師長までもが動いてくれた。本当にありがたい。
勢いで書いたので、締め方が分からない。
関わる人全員とは言わんから、仲間と思った人は大事にしような。悪いことしたなと思ったら、謝ろうな。助けてもらったら感謝しような。意地悪な人、性根の曲がった人がゴキブリのようにはびこる世の中でも、失敗してもいいから、一生懸命生きような。いつか何かの形で返ってくるから。
ここまで読んでくれたあなたの心に、少しでもなにか暖かいものがともせたらな、と願いつつおしまいにします。
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